2026年9月8日にリリースされたDaVinci Resolve 21.1は、映像編集、カラーグレーディング、VFX、モーショングラフィックス、そしてオーディオポストプロダクションを統合した画期的なツールです。特にFusionページは、プロフェッショナルなモーショングラフィックスやタイトル作成において、そのノードベースの非破壊ワークフローにより無限の可能性を秘めています。2026年現在、DaVinci Resolveはタイトル作成機能に関して大幅な進化を遂げており、その核心にあるFusionページでの効率的かつ高品質なタイトル制作方法を、最新バージョンであるDaVinci Resolve 21.1の視点から解説します。
DaVinci Resolve 21.1 Fusion:進化するタイトル作成
DaVinci Resolve 21.1におけるFusionページの進化は、タイトル作成に新たな次元をもたらしています。以前のバージョンと比較して、特に注目すべきは以下の点です。
- Krokodoveツールの統合: DaVinci Resolve 21.0では70以上の新しいグラフィックツールがFusionに統合され、21.1ではさらに25以上の新しいKrokodove 3Dおよびシェイプツールが追加されました。これにより、複雑な3Dテキストや洗練されたアニメーションシェイプを、Fusion内で直接かつ直感的に作成できるようになりました。
- Text+およびMultiTextツールの改善: タイトル作成の基盤となる「Text+」ノードが大きく強化されました。
* スペルチェック機能: 多言語対応のスペルチェックが全てのテキスト要素で利用可能になり、誤字の心配が減少します。
* フォントブラウザ: 専用のフォントブラウザウィンドウでフォントをプレビューできるようになり、デザインに合ったフォントを効率的に選択できます。
* 文字レベルのスタイリング: 1つのテキストボックス内で、個々の文字や単語に対して異なるフォント、サイズ、太さ、色、アウトラインなどの属性を割り当てることが可能になりました。これにより、高度なデザインがFusion内で完結し、外部ツールへの依存が減ります。
* 絵文字対応: テキストに絵文字を使用できるようになり、表現の幅が広がりました。
これらの機能強化により、2026年9月時点のDaVinci Resolve 21.1では、より迅速に、そしてよりクリエイティブに、魅力的なタイトルを作成できるようになっています。
Fusionページでのタイトル作成の基本ステップ
DaVinci ResolveのFusionページはノードベースのインターフェースを採用しており、各ノードが特定のエフェクトや機能を担当し、それらを接続することで複雑なビジュアルエフェクトを構築します。タイトル作成の基本的な流れは以下の通りです。
1. Fusionページへ移動: DaVinci Resolveの下部にあるフュージョンアイコン(魔法の杖のようなマーク)をクリックし、Fusionページに切り替えます。
2. Text+ノードの追加: ツールバーから「Text+」ノードをドラッグ&ドロップするか、Viewerウィンドウがアクティブな状態でShift + Spaceキーを押し、「Text+」と入力して選択し追加します。
3. ノードの接続:
* 追加した「Text+」ノードの出力を、既存の「MediaOut」ノードの入力に接続します。「MediaOut」ノードはタイムラインにFusionコンポジションの最終結果を出力するために必要です。
* 背景が必要な場合は、「Background」ノードを追加し、「Text+」ノードと「Background」ノードを「Merge」ノードに接続し、その「Merge」ノードを「MediaOut」に接続します。
4. テキスト内容と基本設定:
* 「Text+」ノードを選択し、右側の「Inspector」パネルを開きます。
* 「Text」ボックスに表示したいタイトルテキストを入力します。
* 「Font」「Size」「Color」などの基本的な設定を調整します。
💡 ポイント: ノードベースのワークフローでは、各ノードが独立しているため、後からいつでも簡単に設定を変更したり、ノードを追加・削除したりできます。これは非破壊編集の大きな利点です。
2026年の新機能活用:より高度なタイトル表現へ
DaVinci Resolve 21.1で追加された新機能を活用することで、タイトル作成はさらに表現豊かになります。
文字レベルスタイリングでデザインを豊かに
「Text+」ノードの文字レベルスタイリング機能は、タイトルデザインに革命をもたらします。
1. 文字レベルの有効化: Inspectorパネルの「Shading」タブに移動し、目的の「Shading Element」(例:Element 1)を選択します。
2. 文字単位での調整: 「Character Level Styling」のチェックボックスをオンにします。
3. 個別のスタイリング: テキストボックス内で、スタイリングしたい文字や単語を選択し、Inspectorパネルの「Font」「Size」「Color」などの属性を調整します。例えば、「DaVinci Resolve」というタイトルで「DaVinci」だけを青色に、残りを白色にするといったことが、1つのText+ノード内で可能になります。
Krokodoveツールによる3Dテキストとシェイプ
Krokodoveツールの統合により、Fusion内で本格的な3Dテキストや複雑な2Dシェイプアニメーションを作成できるようになりました。
- 3Dテキスト:
Shift+Spaceで「Krokodove 3D Text」と検索して追加します。これにより、深みのある立体的なタイトルを作成し、3D空間でアニメーションさせることが可能です。 - シェイプアニメーション: 「Krokodove Shape Tool」などを用いて、タイトル背景に流れるような抽象的なシェイプや、タイトル登場時のエフェクトとして利用できます。これらのシェイプは、「Merge」ノードを介してText+と組み合わせます。
⚠️ 注意: Krokodove 3Dツールは高度な計算を要するため、PCのスペックによってはリアルタイムプレビューが重くなる場合があります。高性能なGPU(グラフィックボード)が推奨されます。
アニメーションの強化:イーズアニメーションの活用
21.1で強化されたイーズアニメーション(ループ、ピンポン、相対モード)は、キーフレームアニメーションの質を向上させます。
1. キーフレームの設定: Text+ノードの「Position」や「Size」などのプロパティの横にある菱形アイコンをクリックしてキーフレームを設定します。
2. スプラインエディタでの調整: Fusionページの右上の「Spline」ボタンをクリックし、スプラインエディタを開きます。
3. イーズカーブの適用: アニメーションカーブを選択し、スプラインエディタの下部にあるイーズカーブプリセットや、「Smooth」「Loop」「Ping Pong」などのモードを適用します。例えば、タイトルが画面に登場するアニメーションで、0.75秒かけて加速し、ゆっくりと停止する「Ease In/Out」カーブを設定することで、より自然で洗練された動きを表現できます。
実践:プロフェッショナルなタイトルを作成するワークフロー
ここからは、実際に21.1の機能を使って、動きのあるタイトルを作成する具体的なワークフローをステップバイステップで説明します。
1. Fusionコンポジションの開始:
* DaVinci ResolveのEditページで、新しいFusionコンポジションを作成し、Fusionページに切り替えます。
2. 基本テキストの配置:
* 「Text+」ノードを追加し、「Text」フィールドに「未来のタイトル」と入力します。
* フォントは「Montserrat Bold」、サイズは「0.12」に設定します。
* 文字間隔(Tracking)を「0.02」に調整し、視認性を高めます。
* 「Text+」ノードを「MediaOut」ノードに接続します。
3. 文字レベルスタイリングの適用:
* 「Text+」ノードのInspectorパネルで、「Shading」タブに移動します。
* 「Element 1」が選択されていることを確認し、「Character Level Styling」にチェックを入れます。
* テキストフィールドで「未来」という文字を選択し、フォントサイズを「0.15」に、色を明るい青(RGB: 0.1, 0.5, 1.0)に変更します。
4. Krokodove 3D Textと背景の追加(オプション):
* Shift + Spaceで「Krokodove 3D Text」を追加し、同じテキストを入力。
* 「Extrusion Depth」を「0.03」に設定し、立体感を出し、これをText+の上にMergeします。
* さらに「Background」ノードを追加し、色を暗いグレーに設定します。
* 「Merge」ノードを追加し、BackgroundノードをMergeの背景(黄色い入力)、Text+を前景(緑の入力)に接続し、MergeノードをMediaOutに接続します。
5. アニメーションの追加:
* 「Text+」ノードを選択し、Inspectorパネルの「Layout」タブに移動します。
* フレーム0の時点で、「Center」のX座標を「-1.5」に設定し、菱形アイコンをクリックしてキーフレームを打ちます。
* タイムラインをフレーム30(約1秒)に進め、「Center」のX座標を「0.5」に設定し、再度キーフレームを打ちます。
* 「Spline」エディタを開き、作成したキーフレームを選択し、下のツールバーにある「Smooth」ボタンをクリックしてイーズイン・イーズアウトカーブを適用します。
6. 最終調整とプレビュー:
* Fusionページの再生ボタンを押して、アニメーションをプレビューします。
* 必要に応じて、Text+のシャドウやアウトライン、Krokodoveツールの詳細設定などを調整し、視覚的な魅力を高めます。
💡 ポイント: 複雑なアニメーションを作成する際は、一度に全てを完成させようとせず、要素ごとにアニメーションを設定し、最後に組み合わせるようにすると効率的です。
DaVinci Resolve 21.1のFusionページは、その強力なノードベースのワークフローと、Text+やKrokodoveツールの強化により、2026年現在のプロフェッショナルなタイトル作成において、まさに業界標準となりつつあります。これらの機能を使いこなすことで、あなたの映像作品に視覚的な魅力を最大限に引き出すタイトルを制作することができるでしょう。