YouTubeにおける「クリップ機能」と「切り抜き動画」は、動画コンテンツの一部を共有するという点では共通していますが、その目的、機能、および法的な側面において大きく異なります。これらを理解することで、自身の目的や状況に応じた適切な方法を選択できます。
YouTubeの「クリップ機能」とは?
YouTubeのクリップ機能は、動画の特定の部分を切り出し、その場で共有するための手軽なツールです。2026年4月現在、この機能はモバイルアプリとPCのブラウザ版で利用可能です。主な目的は、お気に入りの瞬間やハイライトを友人やソーシャルメディア上で手軽に共有することにあります。
クリップ機能の使い方
動画の特定の瞬間を共有したい場合、以下のステップで簡単にクリップを作成できます。
1. 共有したいYouTube動画を再生します。
2. 動画プレーヤーの下にある「クリップ」アイコン(ハサミのマーク)をクリックまたはタップします。
3. クリップ作成画面が表示されます。ここでは、スライダーを動かして切り出したい範囲を選択します。クリップの長さは5秒から60秒の間で設定できます。
4. クリップのタイトル(半角英数記号で最大140文字)を入力します。これは、クリップが共有された際に表示される説明文となります。
5. 「クリップを共有」ボタンをクリックまたはタップします。
6. 生成されたリンクをコピーするか、直接SNS(Facebook、Twitterなど)やメールで共有できます。
💡 ポイント: クリップは元の動画の一部を指し示すリンクとして機能します。クリップ自体が独立した動画ファイルとしてアップロードされるわけではありません。
クリップ機能の特徴と制限
- 共有範囲: クリップはリンク形式で共有され、視聴者がそのリンクをクリックすると、元の動画の指定された部分から再生されます。常に元の動画に紐付いているため、著作権の問題が生じにくいのが特徴です。
- 収益化: クリップ自体から直接収益を得ることはできません。また、クリップの再生は元の動画の再生回数には加算されません。
- 編集の手軽さ: 高度な動画編集スキルは不要で、数クリックで作成できます。
- 一時性: クリエイターが元の動画を削除したり、非公開にしたりすると、その動画から作成されたクリップも利用できなくなります。
「切り抜き動画」とは?
一方、切り抜き動画は、YouTube動画の一部をダウンロードし、独自の編集(テロップ、効果音、BGM、ナレーション、アニメーションなどの追加)を加えて、独立した新しい動画コンテンツとしてYouTubeに再アップロードする行為を指します。これは、元の動画の面白さや魅力的な部分を凝縮して届けたり、特定のテーマに特化して情報をまとめたりする目的で作成されます。
切り抜き動画の作成方法
切り抜き動画の作成には、通常、動画編集ソフトウェアの使用が伴います。
1. 素材の準備: 元となるYouTube動画をダウンロードします。多くの場合は非公式なツールを使用することになりますが、著作権者の許可なくダウンロード・利用することは著作権侵害に当たる可能性があります。
2. 編集:
* ダウンロードした動画素材から必要な部分を切り出します。
* 視聴者が内容を理解しやすくなるよう、テロップを追加します。
* BGMや効果音を加え、動画の雰囲気を盛り上げます。
* 場合によっては、画像や図、ナレーションなどを追加して解説を補強します。
* 一般的に、切り抜き動画の尺は元の動画よりも短く、5分〜10分以内に凝縮されることが多いです。
3. 書き出しとアップロード: 編集が完了したら、動画ファイルをYouTubeの推奨形式で書き出し、自身のYouTubeチャンネルにアップロードします。
より手軽に切り抜き動画を作成したい場合は、[Chokiru](https://chokiru.com)のようなAIを活用したサービスも登場しています。動画のURLを貼り付けるだけでAIが見どころを自動選定し、縦型切り抜きを生成してくれるため、編集の手間を大幅に削減できます。
⚠️ 注意: 切り抜き動画の作成と公開は、元の動画の著作権者から許可を得るか、YouTubeのフェアユース(公正な利用)の原則に則って行われる必要があります。許可なく行われた場合、著作権侵害として削除されたり、法的措置を取られたりするリスクがあります。特に、収益化を目的とする場合は、許諾を得ることが不可欠です。
切り抜き動画の収益化と著作権
切り抜き動画は、自身のチャンネルのコンテンツとして収益化できる可能性があります。2026年4月時点におけるYouTubeパートナープログラムの収益化条件は、チャンネル登録者数1,000人以上、かつ過去12ヶ月の通常動画の総再生時間4,000時間以上、または過去90日間のショート動画の視聴回数1,000万回以上が一般的です。ただし、収益化の審査においては、複製コンテンツとみなされないよう、元のコンテンツに大幅な付加価値(解説、批評、独自の編集など)が加えられているかが厳しく評価されます。
「クリップ機能」と「切り抜き動画」の比較と使い分け
両者の違いを明確にするため、以下の比較表をご覧ください。
| 項目 | クリップ機能 | 切り抜き動画 |
|---|---|---|
| 目的 | 元動画のハイライトを一時的に共有 | 新しいコンテンツとして二次創作・再配布・収益化 |
| 手軽さ | 非常に簡単(数クリック) | 専門知識や編集ソフトが必要(AIツール除く) |
| 編集 | なし(範囲指定のみ) | 独自のテロップ、BGM、効果音、ナレーション等を追加 |
| 公開形式 | 元動画へのリンク(共有URL) | 独立した新しい動画ファイルとしてアップロード |
| 長さ | 5秒〜60秒 | 数秒〜数十数分(自由に設定) |
| 収益性 | なし | 条件を満たせば可能性あり(著作権者の許諾が必要) |
| 著作権 | YouTubeの機能内で完結するため、問題が生じにくい | 著作権者の許諾が必須、フェアユースの範囲内が前提 |
| 管理 | 元動画に紐付けられるため、クリエイターが管理 | 切り抜きチャンネルが独立して管理 |
使い分けのポイント
- 手軽に一瞬を共有したいだけなら: クリップ機能が最適です。友人に特定の笑える瞬間を見せたい、SNSで感動的なシーンを共有したい、といった場合にサッと使えます。
- 特定のクリエイターの魅力を掘り下げて伝えたい、収益化したい、自身のチャンネルを運用したいなら: 切り抜き動画を検討します。ただし、そのためには著作権の問題をクリアし、元のコンテンツに独自の価値を付加する編集スキルやアイデアが求められます。
💡 ポイント: クリップ機能はあくまで「元の動画の一部を紹介するための機能」であり、切り抜き動画は「元の動画を素材として、新たに創作されたコンテンツ」という本質的な違いを理解することが重要です。
どちらを選ぶかは、あなたの目的と利用可能なリソース(時間、編集スキル、著作権者との関係など)によって決まります。著作権侵害を避け、健全なYouTube活動を行うためにも、それぞれの機能の特性をしっかり理解して活用しましょう。